BIG ISLAND 3

    

お前はまだ遊んどるのかといわれそうですが、もうひとつキラウエア火山について。

世界で最も観光客が訪れる活火山ですが、同時に最も安全な火山とも言われています。ハワイの火山は日本や大陸の火山の爆発と異なり、ハワイ式噴火と区別されているように溶岩の粘性が高く、揮発成分が少ないのか特徴です。つまり爆発の際に岩石が飛び散ったり、大爆発を起こしたり、火砕流などの高熱ガスを出したりせず、赤い溶岩がどろどろっと流れるタイプの爆発です。


マントルの熱対流のうち活発に地表の方向に吹き上がるものをホットプルームといいますが、そのなかで地殻を破って地表に出るほど勢いが強く巨大なものをスーパーホットプルームと言います。現在の地球にはアフリカ大陸の大地溝帯の下と南太平洋の下にこのスーパーホットプルームが存在します。


ハワイ諸島の下にあるhotspot(マグマが地表に向けて吹き出る場所)もタヒチ同様に南太平洋スーパーホットプルームの影響下にあるもののひとつです。


海洋プレートがこのhotspotの上を約7cm/年で北西の方角に移動しているため、移動しない(あるいは遅い)hotspotの上に火山が次々とできていったと考えれています。
つまり活動性の高い噴火は地図の上では南東の方角に移動していくことになります。ハワイ島の前には、マウイ島、モロカイ島、オアフ島、カウアイ島が、それぞれ「ホットスポット」の上を通過し、活発な時期を過ごしました。ですから、ハワイの島々は、西に行くほど火山島としては年老いたものになります。


大噴火のあったキラウエア火山ですが、現在溶岩は、南東地溝帯海岸付近にあるプウ・オーオー火口から溶岩が流れ出ており、ここが現在溶岩観察ツアーの場所になってます。


さらに現在ハワイ島東南沖合約1000mの海底下にあるロイヒ火山が成長しており、次のhotspotを担う島になる予定です。このロイヒ山は現在でも周囲の海底に比して高さ35000mを越えており、将来的に地殻が持ち上がるとマウナ・ケアやマウナ・ロア同様に4000m超級の山になると考えられています。

以上なんだか日記というより火山のパンフレットみたいになりました。
写真は遠くからみたプウ・オーオー火口と溶岩でふさがった道です。