ニンゲンドック 

http://www.mainichi-msn.co.jp/science/medical/news/20060819k0000e040080000c.html

日本人間ドック学会(奈良昌治理事長)は、健康維持や病気予防に活用されてきた「人間ドック」を、世界に普及させる運動を展開する。9月14日から沖縄県で開かれる第1回国際人間ドック会議で、日本の人間ドックを手本にした健診プログラムの導入を参加各国に呼びかける。関係者は「ニンゲンドック(NINGEN DOCK)」を世界共通語にしようと意気込んでいる



人間ドックがじつは日本でしか行われていないことを知っている日本人はすくないのではないでしょうか。

そもそも人間ドックや検診が本当に有効である(平均寿命の延長に寄与する)という疫学的データはありません。
むしろ意味がないという意見もあります。アメリカではずいぶん前から集団検診にはコストパフォーマンス的に意味がないと結論されてやっていません。つまり検診の時点で病気が見つかろうが見つかるまいが、治る人は治るし、治らん人は治らんということです。

日本でしか行われていないのは実は当たり前です。政治家でもあるまいし、高額のお金をはらって集中的に健康状態checkをするなんて芸当はCTやMRIなどの医療機器が不必要に溢れ返り、国民が総中流階級のお金持ち国家の日本でしか成り立たない事業でしょう。

これは健康増進および医療に名をかりた単なるビジネスであり、検診を受けて"異常ありません"といわれる安心感をお金で買う一種のサービスコンテンツ事業です。異常値が出たら出たで治療する必要があるのかどうかも怪しげな病人を多数産出するシステムです。

もちろんこの安心感にはなんの説得力もありません。自分が今癌ではない、あるいはあと数年は元気でいられる保証にもなんにもなりません。

もちろん実際にドックが有効であるデータが日本から出れば問題はないわけです。今は有効に違いないと信じてまい進しているだけですね。増えつづける医療費削減のためには有効な予防医学の確立が急務であるのは事実です。